ピカピカのトースター
トースターを磨いた
嬉しくてあなたに自慢した
ピカピカだね
と言ったあなたの指が
一瞬
動きかけて止まった
指が向かった先が気になり
後で
目を凝らすと
見えたのは
取り残された汚れ
眼鏡とともに
もう一度拭き上げながら
ふと思う
あなたの指が止まらなかったら
あの時の私は
”ありがとう”
と言えたかな
それとも
頬を膨らませ
拗ねてしまっただろうか
指を止めた
あなたの優しさと
ピカピカのトースターが
嬉しかった